【雑草対策】を兼ねた芝生の作り方!種まきと芝張りを比較してみた

ここスロライ工房の敷地は雨でぬかるんだり、雑草が生えまくって草刈りに追われたりする過酷な庭でした。

そこで一部に雑草対策を兼ねて芝生を作ることに。

長方形に切り出された芝を地面に貼っていく張芝(はりしば)法と種をまいて芝を育てる播種(はしゅ)法を試しています。

あれから4年経ちました。いずれの方法も立派な芝生になっています。

結論からいって楽なのは張芝法だと思います。比較的モグラに強いことも分かりました。

憧れの芝生の庭に一歩近づいたと思います。

ヒデ

定期的な芝刈りが必要だよ

目次

芝の種類を知る

芝生に使う芝草は生育に適した気温によって暖地型と寒地型に分けられています。

また、日本に元々自生している品種の日本芝と海外原産の西洋芝の分類もあります。

暖地型寒地型
日本芝管理が楽で丈夫なし
西洋芝管理に手間 土壌を選ぶ関東以北で生育 冬枯れしない
芝草の分類・ヒデ調べ

西洋芝にはて暖地型と寒地型がありますが、日本芝には暖地型しかありません。

暖地型の特徴

暖地型の特徴としては高温多湿な気候でも育ち、冬に休眠期に入って地上部が枯れることです。寒さに弱い為、北海道や東北では生育できません。

暖地型の西洋芝は耐踏圧性が高く日本芝より成長が早いのでスポーツ施設や競技場などに使用されています。

芝刈りや水やりの頻度も増えるので管理の手間がかかります。時間を十分使える前提で導入しましょう。

同じ暖地型でも日本芝の場合比較的成長が穏やかで病気にも強く、管理が楽だと言われています。

中でも野芝は耐寒性が高く、やせ地、踏み付けに強いことから公園や河川敷、公共施設などに使われてきました。

葉が硬くて幅広いです。芝生としては粗い為、好みの分かれるところではありますが管理のしやすさでは群を抜いています。

スロライ工房では野芝を採用しています。

寒地型の特徴

冬の間も鮮やかなグリーンを保ちたければ寒地型の芝になります。

耐寒性が強く0℃でも枯れませんが、夏暑すぎると枯れます。

北海道、東北地方以外での栽培は難しいようです。

寒地型は全て西洋芝で種から育てることになります。張芝法は使えません。

関東以北では寒地型、関東以南では暖地型を栽培するのが基本です。

芝生作りに適した時期

芝生作りに適した時期は春です。秋にもできますが春が最適です。

それは梅雨の長雨を利用して育成するためです。

自分は6月に張芝法と播種法を両方やって梅雨に備えました。育成初期は特に水枯れに注意が必要です。週末移住の為、毎日水やりできないので梅雨頼みの育成です。

その後の夏の日差しでぐんぐん成長して秋にはそこそこの芝を形成できます。

水やりをこまめにできる場合秋の芝生作りも可能ですが、芝草が根付かないうちに冬枯れしてしまうので翌年の春までそのままです。

また、ほとんどの芝草は陽当たりの良い場所でなければ健康に育ちません。育成する場所も検討しましょう。

芝生作りの下準備

芝生作りの指南書の多くには土壌改良と整地することが書いてあります。

これは芝を張る場合も種を播く場合も同じです。

1.芝生にする場所に雑草がある場合は取り除きます。広い場合はラウンドアップなどの除草剤を使う方法もアリです。除草剤の効果がなくなってから芝生を張ったり種まきします。

2.おおよそ20センチを目安に良く耕し小石などを取り除きます。

3.芝草が健康に育つには水はけが大切です。改善のために川砂を混ぜたり、上に敷き詰めたりすることが多いです。

4.芝生の肥料を混ぜ込むか、培養土を数センチ敷いて平らにします。

5.芝生全体にやや勾配を付けて水が流れるように転圧していきます。

6.整地がイマイチで凸凹していると芝生も凸凹します。くぼみに水が溜まって生育が悪くなるのでできるだけ平らにします。

ここまでが一般的な手順です。特に種を播く場合は順守する必要がありそうです。

芝を張る場合は多少いい加減な土壌改良と整地であっても成立するかと思います。

野芝は土壌適応力が高いそうです。自分は肥料も使わず草取りしかしませんでした。

張芝法をやってみる

購入した野芝

使用した野芝は茂原の昌造園で買ったものです。

1束10枚、約1平米で550円ほど。10束買ったので10平米。電話して取りに行きました。

野芝を並べたところ

張り芝は敷地の東側、梅の木とミカン木の間に10平米(約6畳)張りました。

草刈りの後クワで耕して小石を取り除き平に整地。粘土質ですが野芝は強く丈夫です。また、高畝状態なので水捌けもそれなりに良いだろうと判断し砂は投入していません。

主な貼り方・ヒデ調べ

切り芝を並べるときは「ベタ張り」、「メジ張り」、「市松張り」、などがありますが無難なベタ張りにしました。

ベタ張りは目地を設けず隙間なく芝を張る方法で、いち早くマットを形成するのでモグラの被害のある敷地にはおすすめです。

ダメな例

ダメな張り方は「十文字張り」です。継ぎ目が十字だと雨で目土や床土が流されやすくなると言われています。

レンタルダンプ
山砂3t

少量の目土であれば袋状の物を購入してもいいのですが、播種法で大量に使うのでダンプをレンタルして買ってきました。山砂と呼ばれるものです。

3tダンプいっぱいでおよそ2.5立米、9000円位でした。

目土の直後

並べた切り芝の隙間を埋めるように砂を入れます。

ふるいなどを使って全体にも薄く振りかけます。くぼんでいる箇所は砂を多く入れておけば芝草が伸びた時に平らに見えます。

くぼみが深い場合は数回に分けた方がいいでしょう。

となりの芝とつながって1枚の大きな芝生になる為に定期的に隙間をチェックして砂を追加します。

モグラ塚

やっかいなのはモグラです。芝草の結合が弱いうちはモグラ塚を作られてしまいます。

踏みつぶすかタンパーで転圧して元の高さまでそろえておきます。

しっかりと結合した現在ではモグラの被害はほとんどありません。多少ふくらむ位です。

モグラとしても厚い芝生を貫通してモグラ塚を作るのは大変なのでしょう。

モグラの被害のある敷地は芝張法がいいと思います。

播種法をやってみる

粘土質で水はけが悪い

播種法に選んだのは主屋南のおよそ9坪ほどの雑草地帯です。購入したころは背丈程の雑草が生い茂り立ち入ることすらできませんでした。

雨が降ると水たまりができるので溝を掘って排水溝まで流しています。

奥に浸水マスを設置

排水溝の手前に自作の浸水マスを作り、そこへ芝生の勾配を合わせる事にしました。

製作中の浸水マス
野芝を張ったところ

ブロックとモルタルで作ったマスに砂利を敷き詰めて、砂利が砂で目詰まりしないように防草シートを張ってから野芝を乗せています。

防草シートは米国デュポン社のザバーンというもので、耐久性が高く浸透性の良いものです。

草刈り
クワで耕す

播種法の作業はたくさんあります。草刈り後に耕して小石を撤去するまでは張芝法と同じです。

山砂投入
浸水マスへ勾配させる

その後高さを確保して浸水マスへ勾配を作る為、山砂を投入しました。およそ2立米をネコ台車で運びレーキなどで慣らす作業をします。

手前が元の高さ
手製のレーキで整地

この作業はかなり大変で二度とやりたくない作業です。芝が根付く前に大雨が降ると砂が流れてやり直しになるかも。

タキイの野芝種
野芝の種

ネットで買ったこの種は1キロ¥15000。思ってたより高い。

初め半分くらい使いました。後から雨で流された分を播きなおしてさらに半分くらい。

1袋でどのくらいの広さに播けるなどということは書いてありません。原産地がアメリカ⁈

発芽を待つだけ

種を播いたのちふるいを使って砂をかけ、種が流れないようジョウロで水やりして終了です。

本来なら土が乾かないよう毎日見てあげなければならないのですが週末にしか水やりできないので少し厚めの5センチほど砂をかけてあります。

山砂を転圧しただけの整地ですから大雨が降れば砂ごと種も流れるだろうし、勾配の作り直しになると思います。よほどの広い敷地やこだわりが無ければ張芝法がおすすめです。

また法面などを芝生化したい場合は必然的に張芝法になるかと思います。

2週間後発芽した野芝
3週間後
8月(2か月後)
およそ2ヵ月半後の9月初旬 

種まき後すぐに雨が続いたので乾燥の心配はありませんでした。整地が大きく崩れることもなく2週間で発芽。

部分的に雨で砂ごと種が流れてしまい発芽しない箇所は後から播きなおしています。

夏の日差しを浴びてぐんぐん成長し秋には芝生と呼べるものになりました。

芝生の手入れ

芝生は短く刈り込むことが大切です。見た目だけでなく病気にも関係してくるのです。

うちでは5センチを目安に芝刈りしています。伸びると芝刈り機で刈りづらくなります。

芝の病気

初めの年に芝刈りせずにぼうぼうに伸ばしていたら「さび病」になり、薬品を噴霧しました。秋の長雨の影響で発生しやすいようです。

なんとかパッチ?

翌年の春には上の写真のような症状が数か所に発生しました。ラージパッチかブラウンパッチか病名が分からず放置していたら半年くらいで無くなったのでそのままにしています。

短く刈って竹ほうきやレーキでたまに掃除してあげるのが病気を防ぐコツのようです。

芝刈り機

GSB-2000N

芝刈りには手押しのバーディーモアー「 GSB-2000N」を使っています。この芝刈り機はキンボシという会社の製品で切れ味と使い易さで定評のあるシリーズのエントリーモデルです。

現在は「GSB-2000HDX」にモデルチェンジしています。

評判通り軽くて切れ味が鋭い芝刈り機で、自分で刃研ぎできるのがいいところ。

慣れれば5分位で終わります。

バーディーモアー「 GSB-2000N」については別の記事で詳しく書いています。

モグラの被害

乱れ撃ち

上の写真は2年目です。急にモグラが暴れだしボコボコにしてくれました。この時はさすがに殺意が芽生えたのを覚えています。

落とし穴やトラップなど色々試しましたが1度も捕まえた事はありません。臭いによる忌避剤は一時的な効果はありました。使い続ければ良かったかもしれません。

この年は何度もモグラ塚を量産され芝生がデコボコになり整地の苦労を無駄にされました。

直さずにいると周りの芝とつながらず厚い芝生を形成できません。しかし直すとまたすぐ穴を開けられます。

2年目に入ってモグラ塚が少し減ったのを感じました。少しづつ芝草が厚くなりモグラ塚を作りにくくなってるのだろうと推測します。

モグラ塚が出来なくなったのは3年目からです。たまに端っこにできます。長い闘いでした。

今後はうまく目土してデコボコを修正していきたいです。

芝の除草剤

奥が刈る前の芝、手前は雑草

西洋芝と違い日本芝のほとんどは除草剤が使用できます。

自分は使った事はないのですが調べて知った時におどろきました。「えっ、芝以外を都合よく枯らす除草剤があるなんて!」

除草剤ってラウンドアップみたいに全部枯れるのかと思ってたので。

ここは井戸があるので極力農薬は使わない事にしています、念のため。

張芝法と違って播種法は雑草がエグいです。大きなものは妻と二人でひたすら抜きました。

小さな雑草は芝と一緒に刈ることで自然に減っていきますが、時間がかかるので芝生が安定するまで除草剤を使う事も検討してみて下さい。

芝がしっかりと密集すれば雑草はかなり減ります。

まとめ

播種法においてモグラの被害のある場所は最悪です。ほぼ全ての整地作業を無駄にしたといっても過言ではありません。

種まきでモグラに強いマット状になるまでには2年以上かかると思います。モグラの突上げが減ったのは2年以上たってからでした。

播いた種が発芽し芝草が根を伸ばしてしっかりと地面に定着する為には土の柔らかさと栄養が必要で土壌改良が必須になります。

そのためモグラや雨に弱い状態で芝生化まで管理しなければならないのです。

芝張法の場合は隣の芝と繋がってマット状になるとモグラが突き上げても分裂しないので足で踏みつけて戻してやるだけで済みます。そのうち無理だと学習するのかモグラは突き上げなくなります。

大雨で目土が流れても少量なので管理が楽なのです。

また、高低差のある場所や人が入りずらい所には芝生は向いていません。芝刈りしずらいからです。平らで障害物のない空間なら苦になりません。

雑草対策を兼ねた芝生作り参考にしてみて下さい。

ではまた。

目次