【木製雨戸】を修理する ベニヤの交換をDIYでやってみた
主屋の広縁(ひろえん)にある雨戸は、今どき珍しい木製の雨戸です。
塗装がはがれ合板が反り返ってボロボロの状態になってます。
主屋はいずれリフォームしてサッシに変えるつもりですが、それまで保たないと困るので修理することにしました。
木製の雨戸は枠の一部を外して中の合板を交換できるのが一般的です。
難しいことは無さそうなので自分でやってみました。
難しくないよ
分解
分解の手順は3つに分けられます。
外せる枠を探す
かなり紫外線劣化で退色してます。
塗装の無い部分は雨が染み込んで木が腐りやすくなります。下の方は水が溜まりやすく傷みやすい。
まずは裏返して外れるところを探し、木片を当てて金づちで叩いてみます。
画面奥の長い枠が外れました。他の部分は接着されているようです。
あれ?合板を抜き取ろうと引っ張りましたが動きません。
釘を抜き取る
釘で固定されているのを忘れてました。くぎ抜きと金づちで抜いていきます。
この雨戸は合板3枚の継ぎ足しになっていて、釘が沢山使われていました。
釘を全て抜きとって合板を引き出したところ。
既存の塗装を落とす
サンダーを使って残った塗装を全て落とします。元々の塗装がどんなものか分かりません。
そのまま重ねて乗りが悪かったり縮みがでたら嫌なのでしっかり落としました。
組み立て
組み立ては2工程です。
新しい合板(ごうはん)を入れる
新しい合板は元から使われていたものと同じ、3ミリ厚のサブロク板(910×1820)をカットして使います。
合板はベニヤを貼り合わせた物の総称で、使われている接着剤によって3種類あります。
- 特類:フェノール樹脂接着 完全耐水性
- 1類:メラミン樹脂接着 高度耐水性
- 2類:ユリア樹脂接着 普通耐水性
俗に防水ベニヤと呼ばれる特類が雨戸の使用には最適ですが、接着剤が水に強いだけでベニヤが防水であるとは言えません。
何店かホームセンターを探したけれど3ミリ厚の特類が見つからず、仕方なく1類の合板を使っています。
ちなみベニヤは英語で、veneerなんだって。
外した枠を戻します。この時、後の修理の事を考えて接着はしません。
そもそも自分の場合、再び修理が必要になる程の長期間の使用は予定していないのですが念のため。
7つある枠の穴と骨組み全てを同時に合わせるのは意外と難しいです。
木片を当てながら止まるまで打ち込みます。
釘で固定する
合板を釘で固定する為、骨組みの位置にラインを引きます。
釘は頭の丸い長さ2センチ程の真鍮製を選びました。
ひたすら打ちます。だいたいライン1本に5~6本だったと思います。
以上で組み立て終了。
仕上げ
雨戸として機能するには塗装が必要です。
ペンキ塗装
今回使ったペンキがこの2つです。同じメーカーの同じ用途のペンキだったので塗り重ねました。
屋外木部に塗れるなら油性、水性、問わず何でもいいと思います。
木製雨戸の防水性は塗装されたペンキの被膜に依存します。
必ず複数回塗り重ねる必要があり、この塗装の工程が一番大変でした。
特類合板を使えなかった悔しさを3度塗りにぶつけます!
面積が広いのでローラーを使いました。刷毛より断然ラクだと思います。
蜜蝋防水
雨戸の上辺や下辺はペンキを塗らない方がいいと思います。
正直よく分からなかったのですが自分はそう判断しました。
開け閉めの度に鴨居と敷居にこすれてペンキがはがれて汚くなるような気がします。
そこで4辺全てに蜜蝋を塗る事にしました。
特に雨戸の下部は流れ落ちた雨が敷居に留まって木部が吸水しやすく傷みが出やすいと思います。
蜜蝋をしっかり染み込ませる事で吸水を防ぎ、滑りも良くなると考えました。
ヒートガンを使って蜜蝋を木部にしっかりと染み込ませます。
色が濃くなるまで数回繰り返します。
余分な蜜蝋を布で拭きあげて終了です。
完成
敷居の凹みの部分もヒートガンを使って蜜蝋を染み込ませてあります。
今回傷みの激しかった2枚だけ修理しました。全部いっぺんに交換するのはさすがにキツイです。
自分でやる自信の無い方は工務店に相談してみてください。
見積もりは必ず複数社に依頼し、金額だけでなく項目を比較してみましょう。
残りの雨戸もだんだんと傷んできてます。
いずれ全部修理することになりそうな予感。
その前に主屋のフルリフォーム(スケルトンリフォーム)に着手しようと思います。
ではまた。