【自然農】秋ジャガイモ栽培してみた(植え付け編)
春のじゃがいも栽培の失敗の悔しさから秋ジャガイモでリベンジを誓ったヒデです。
ここ千葉県を含む中間地や暖地といわれる地域では秋のジャガイモ栽培ができます。
秋ジャガイモは種イモが腐りやすいとか収穫量が少ないとか春とは違った特徴があります。そこで秋ジャガ栽培ならではの種イモの選び方や注意点など勉強してみました。
前回水はけの悪さから種イモが腐敗して枯れてしまったこともあり、7月の初旬じゃがいも用の畝に堆肥を投入して深く耕しました。畝の上層以外は硬い粘土質が多く、種イモが腐敗するのも納得。
その辺の事はこちらの記事で詳しく書いてます
今回かなり改善していることを期待してます
さらに今回は同じ畝に九条ネギを植えようと思っています。
ネギとじゃがいもは最高のパートナー。今後、春と秋で交互連作していこうかと思っています。
秋ジャガイモ用の種イモ
秋植えに向いているのは休眠期間の短い品種です。
じゃがいもには収穫したあと一定期間芽が出ない性質があり休眠といわれてます。休眠期間が短いほど芽が出やすい品種ということになります。
春植えの時、長期保存できるようにと休眠期間の長い品種を考慮しましたが、それらの品種は秋植えに向きません。秋になっても休眠したままで芽が出ない可能性が高いです。
定番の男爵やメークインなどは休眠期間が長めなので春植え専用となります。
色々あるけど僕が調べた中での秋植え用の定番品種は以下の4つです。
デジマ
- 50年以上前に「ばれいしょ農林19号」として登録されている秋植えの代表品種。
- 名称は長崎県の出島に由来する。
- 中晩生で大玉多収、過繁茂になりやすい。
- やや粉質で、ホクホク感がある。肉じゃがやカレー、ポテトサラダなどに。
- 芽が浅く表面が滑らかで綺麗、皮むきもしやすい。
ニシユタカ
- 農林23号、現在九州から春に沢山出荷される新じゃがの多くはこの品種が用いられているとのこと。
- 西に適した豊産種ということで「ニシユタカ」。
- 早期肥大性に優れた多収性品種、そうか病に弱い。
- 粘質で硬くホクホク感は無い。煮崩れしにくく、カレーやシチューなどの煮込み料理に向いている。
- ポテトサラダやコロッケには不向き。
アンデスレッド
- 岡山県で多く栽培されている品種、別名「ネオデリシャス」。
- 育てやすく、収穫量が多い。春秋二期作が可能。
- 赤い表皮は薄く果肉は黄色で粉質、加熱するとホクホク感がある。
- ポテトサラダやコロッケなど、実を崩して使う料理に向いている。
- 休眠期間が極端に短く長期保存には向かない。
農林1号
- 昭和18年「ばれいしょ農林1号」として農林水産省に初めて登録された元祖的品種。
- ひと昔前のポテチのメイン品種で現在は栽培が少ない。
- 寒冷地から暖地まで幅広く適応し育てやすく、春秋二期作が可能。
- 収穫は少し遅いが、その分収穫量は多い。
- やや粉質でホクホク感がある。
- サラダやマッシュポテトに向く。
種イモの確保
8月の3週目、今回用意したのは写真の農林1号800gを2つです。それぞれのネットに中玉が10個づつ入って計20個です。切り分けずにそのまま植えるので大きさの揃った種イモを探しました。
植え付け当日まで傷まないようにと新聞紙に広げて冷暗所で保存しました。
この種イモを買うのに都内のホームセンターを3軒ハシゴしました。すでに売り切れで在庫ゼロの店もあります。
春植えと同じで適期には売り切れるのだと思いました。
ところが植え付け当日、移動中に寄った田舎街のホームセンターには定番品種が全て置いてありました。流石です。
これからは工房の近所で購入しようと思います。
秋ジャガイモの植え方
ここスロライ工房のある房総半島は暖地に分類されます。植え付けは9月上旬~9月下旬が推奨されているようですが、待ちきれなくて8月の27日に植え付けしました。
早めに種イモを用意してしまったのもあります。
栽培のポイント
春の植え付けであれば、弱い芽の多く出る頂部だけ切り落とし種イモの向きを考えて植えるべきところです。
切り口を下に向けて腐りにくくするや、逆に切り口を上に向け下から伸びる芽が遠回りすることで淘汰されて強い芽だけを伸ばすなど色々あります。
今回用意した農林1号に芽は出てなく、のっぺりした風貌からイモの頂部が分かりにくかったのであまり考えずに植えることにしました。
春に栽培する場合は大きければ種イモをカットして植えますが、秋ジャガは植え付け時に気温が高いため腐りやすく、種イモは切らないほうが良いらしいです。
種イモの間隔は25センチにしました。春は30センチだったので気持ち近づけた感じです。これは春植えほどイモの収穫量が期待できない事に由来しています。
秋植えに限らずジャガイモは酸性の土壌を好むので石灰やくん炭などの資材は投入しない方が無難です。土壌がアルカリ性に傾くとそうか病のリスクが高まります。
秋ジャガの植え付けに最適な期間は3週間程しかないらしいです。
早すぎると暑さで種イモの腐敗や病気の発生が懸念され、遅れるとイモが十分育つ前に寒くなり、霜が降りて地上部が枯れてしまいます。そうなると地下にあるイモは肥らなくなるので収穫量は激減してしまいます。
植え付け適期を逃さないのが大切なようです。
九条ネギと交互に
同じ日に隣に九条ネギを植えています。
ネギの根に住む共生菌が出す抗生物質によって土中の病原菌が減り、じゃがいもの連作障害や病害虫が防げるからです。
さらに土中の未熟な有機物(分解されていない葉や茎など)は種イモを腐らせる恐れがありますが、ネギはうまく分解してくれます。
ネギの方は土中に残った小さなイモや茎などを分解しながら栄養にしてそだちます。
そのため春植えと秋植えで場所を交代しながらネギと交互に連作するとお互いにとって良い土になるのです。
キタアカリ
実は春植えの時、栽培用のキタアカリの他にスーパーで買った食用のキタアカリの芽出しも実験的にしていました。自宅の出窓に置いて陽に当てて緑化し芽を出させるというものです。
ところが食用のキタアカリは緑化こそすれど芽は一向に出ません。梅雨になっても夏になっても芽は出ないまま緑色です。硬くしまっていて腐る様子が無いためそのまま放置していました。
8月の下旬になって突然芽が出始めたので試しに植えることにしました。
農林1号の2週間遅れで植えてみました。
うまく育つかは分かりません。
植え付け後4週間
順調に芽が育ったのは畝の南側半分で背丈は30センチくらいです。
春植えの時のように数本の芽が出るということはなく、ほぼ1本しか出ていません。そのため今回は芽かきの作業はしませんでした。
畝の北側の芽はまだ小さいか出ていない株もあります。南側には大きな桜の木があり多少日陰になります。北側の方が陽当たりが良いのです。春植えの時にはこういった差は無かったので不思議です。
植え付け後6週間
北側の芽はまだまだ小さいですが2回目の土寄せをしました。
一緒に植えた九条ネギは成長が早く、土寄せ3回目です。
草マルチや落ち葉を土に埋めないように横に寄せてから行います。主に中央の土を使い、足りない分は畝の外側を使います。
土寄せの時バーク堆肥投入の効果を実感しました。春植えの時には無かったフカフカ感、土のほぐれる感じがします。
これから秋雨前線の影響で雨の日が続きそうですが、水はけも改善して種イモの腐敗が起きない事を期待します。
ではまた。