【自然農】春じゃがいもの植え方(前編)
自然農の名を借りた、工房のほったらかし菜園でジャガイモを作ってみたいと思います。
工房の菜園は2019年に開こんしたよ
今回使う畝は去年、一昨年とサツマイモを植えただけの3年目。
我が家では竹内孝功さんの自然菜園の本を参考にしています。
自然農に限らずジャガイモ栽培は初めてなので勉強してみました。
いくつか注意が必要なことがありました。
- 種イモの選び方、購入時期や温度管理など
- 植え付け時の種イモの向きや深さなど
- 植え付け後の管理(土寄せなど)
植え付け自体は簡単であっという間に終わったよ
種イモの購入から植え付け後8週間までの記事になります。
自然農によるジャガイモの栽培方法
南米アンデスの高山地帯が原産のジャガイモは、乾燥した弱酸性のやせ地を好みます。その為、手製のぼかし肥を使う場合は石灰の入れ過ぎに注意が必要です。
工房の菜園は粘土質の土が多く水はけが悪いので上手く育つか心配です。
植え付け初期は種イモの養分で育ち、芽が出たのち土寄せでイモを大きくし、夏に草マルチで地温を下げて生育期間を延ばすそうです。
ジャガイモの品種
収穫までの期間である塾期で言うところの早生と中生(なかて)が育てやすく収穫量も多いので初めての自分には良さそうです。
ただし早生品種は長期保存には向かないようです。長く置くには比較的休眠の深い(長い)品種を選ぶと良いとのこと。休眠とは芽が出ない期間の事で休眠期間が長いほど芽が出にくい品種ということになります。
早生や中生で休眠期間の長い品種は
- とうや 早生種 休眠期間(中)
- メークイン 中生種 休眠期間(中)
- 男爵 早生種 休眠期間(長)
などがメジャーです。
男爵やメークインが家庭菜園で定番品種である理由が納得できます。
今回、工房の菜園用にキタアカリ2キロを購入しました。キタアカリは早生種で休眠期間は(中)とのこと。
種芋の準備
自分で育てたイモやスーパーで売っているイモも種イモになるらしいのですが、植え付けまでの保存やウイルス感染などの問題から専用の種イモを購入して植えるのが一般的です。
早めに買って上手に保管
ここ関東基準での話になりますが4月の初旬が自然農における春ジャガの植え付け適期になります。
2月に入るとホームセンターなどに種イモが並びます。少し早い気もしますがここで買っておきました。都内近郊のホームセンターは3月中で売り切れが目立ちます。
この種イモを4月まで保存するのですがここで注意が必要です。ジャガイモは5度前後より低温にさらされると傷み始めます。
3月と言えばまだまだ朝晩の冷え込みもキツく霜が降りたりする地域も多いと思います。冷え込む夜は新聞紙や毛布に包んだり、屋内に取り込むなどの対策が必要です。
自分はこの事を知らずに寒い作業小屋へ種イモを置いたままにしてだいぶ傷みました。およそ半数がブヨブヨした通称「ブヨイモ」と化してました。
我が家の自然菜園バイブルによると種イモは小さめで固くしまり、芽が育ちすぎてないもが良く、ブヨブヨしたものはダメと書いてあります。
3月下旬になって新たに種イモを購入し直そうと思いましたが買えず、しかたなく今回は痛んだ種イモを植えることになりました。
芽出し
種イモの大きさの目安は1個60~80g,やせた畑では80~100gです。
種イモはS玉を選び小さく切り分けずに植える。少肥で育てるジャガイモは初期生育に種イモの養分を使うため、小さく切り分けるとうまく育たないそうです。
植え付けの1週間程前から日光に当て緑化させます。すでに発芽を始めた種イモを日光に当てると芽の成長が抑えられエネルギーを貯め込みます。
植え付け
植え付けのめやすはサクラの花(ソメイヨシノ)が咲いてから。生育期間を延ばそうと早植えしても発芽後の遅霜で枯れるリスクが高くなるらしいです。ここ房総半島は関東の中では温暖なのでもう少し早くても平気かも。
植え方
ジャガイモ用に用意している畝は幅1m長さ5mほど。その畝に上の写真のような溝を2列掘って1列はまあまあ健康そうなイモ、もう1列は傷みの激しいブヨイモを植えました。
種イモは頂芽部の発芽力が強いので頂芽部を含むように切り分けて植え付けるのが一般的だと思いますが、今回の種イモはSサイズなのでそのまま植え付けます。
少しへこんで芽がたくさん出ているのが頂部。頂部の芽は弱いので切り落として植え付けます。切り口を上にして植えると残った下側から太い芽だけが出てきて、芽数は少なく芽かきの手間もぐっと減るようです。
また、腐敗を防ぐため切り口に草木灰をつけるとよく聞きますが、切り口がかさぶた状になるまで4~5日乾かすだけでも良いようです。
写真は撮り忘れましたが株間30センチ位で深さ5センチ位の浅植えとしました。
ネギ類の混植
ナス科のジャガイモは連作障害を起こしやすい野菜で、通常3〜4年の作付け間隔をとるものらしいですが、自然農では相性の良い野菜を一緒に植える事で回避できるそうです。
今回玉ねぎの苗を畝の中央に移植しました。この玉ねぎは去年の秋に植えたものです。
元気が無く冬の間にすっかりしおれて全滅したかのように見えたものの暖かくなった2週間くらい前から急に青々としてきました。
上の写真は雑草の中から見つけたアサツキです。
天然のものか以前住んでいた方が栽培していたのかは不明です。
敷地の所々にみられます。
これもネギ類なので救出を兼ねて畝の端に移植しました。
芽かき
ブヨイモだったので心配しましたが植え付け後3週間で無事発芽しました。
健康そうな種イモの列とブヨイモの列で発芽に大きな違いは見られませんでした。
極端に成長の悪い芽は芽かき(間引き)してしまい、だいたい3~4本に納めます。大きいイモを狙う場合は2本まで芽かきすると良いでしょう。
根元を持ってゆっくり引き抜く感じです。
土寄せ
発芽後から毎週土寄せします。葉のすぐ下まで手で山型に盛るようにします。
浅めに植えてこまめに土寄せした方が雑草の抑制と土の乾燥に貢献できます。
ジャガイモは種イモの上に出るストロン(ほふく枝)の先にできます。成長に合わせて土寄せしていかないとイモの付くスペースが無くなり成長しないばかりか露出して緑色の毒イモ‼になってしまいます。
土寄せした斜面に日が当たり、地温が上がりやすく生育が早まるとのこと。
自然農なので雑草が凄くて土寄せしずらいので鎌を使って根を切りながら作業します。
6月につぼみが付くと根の成長が止まるのでそれまで続けます。
植え付け後6週間くらい
5月下旬の状態です。
心配したほど種イモの傷みの影響は感じられず、順調に生育できてる気がします。
写真奥の方に大きな桜があって日当たりが悪いのが心配です。冬の間しっかり剪定すれば良かったと後悔しました。
6月になったら土寄せをやめて草マルチに移行する予定。草マルチで地温を抑えて暑さに弱いジャガイモの生育期間を稼ぐとのことです。
最後に
傷んだ種イモだったわりには順調に育ったのが意外でした。
工房の菜園は畝高を約30センチにしてあります。水はけの良い畑なら5センチ位でも良いらしいです。とても水はけが悪いと感じたので畝立ての時に高めに作りました。
ジャガイモ栽培では暑さや加湿で種イモが腐ってしまい生育できない事はわりと良くあるみたいなので高畝にしておいて良かったなぁと思いました。
土寄せの時、一緒に植えたネギ類が邪魔になって非常に作業しにくかったです。次にやる時は一列はイモ、もう一列はネギ、のようにしてみようかと思います。
ではまた。