【中古住宅のDIYリフォーム】について考えてみる

DIYによる住宅リフォームは決して不可能な選択ではありません。

現にたくさんの方がブログやyoutubeで発信されています。

自分の手で家をリフォームしてみたいと思っても、不明なことや、不安なことがたくさんあって踏み切れない方も多いでしょう。

それらの不明なこと不安ことを1つ1つ解決していけば答えが見えてきます。

自分にもできるのか、ムリなのか。分からない事が多いので、できるかどうかも分からないのです。

僕はセカンドハウスを購入した後、週末移住でコツコツ直し始めましたが、現在は会社を辞めてDIYリフォームに専念する準備をしています。

今回はDIYリフォームのメリット・デメリットや、その他考慮するべきことなどを考えてみたいと思います。

ヒデ

やればできる

ママシコ

自信だけあってもダメよ

目次

DIYでも住宅のリフォームは可能です

住宅のリフォームは日曜大工好きとしては最高の遊びです。

そもそも住宅をDIYでリフォームできるのでしょうか。ここで言うリフォームは壁紙交換などの修繕ではなく、スケルトンを含む大規模な改修、リノベーションを指しています。

それは条件しだいで実現可能となります。条件とはプロしかできない仕事と言い換えてもいいと思います。

一つ一つの仕事を細かく見るとプロにしかできない仕事とそうでないものがあります。

プロにしかできない仕事とは
  • 資格が必要なもの
  • 指定業者の施工を条件にしているもの
  • 危険であり、経験と装備の必要なもの

などがあります。

それらのプロしかできない仕事はさっさとプロに任せて自分のできる事だけ楽しんでするのが住宅のDIYに必要な考え方です。

具体的にどんな仕事がプロに任せるべき仕事か見てみましょう。

資格が必要なもの

電気工事

資格必須の代表は電気工事です。

宅内の工事に限って言えば必要な資格は第二種電気工事士です。全ての工事を業者に任せる手もあります。それも当然ありです。

僕の場合は自分で工事をしたいので資格を取りました。

配電盤以降の電気工事が可能になるので、照明やコンセントの交換、移設などや、換気扇類の取り付け、防犯カメラ等いろいろあります。

エアコンやIHクッキングヒーターに必要な200Vのコンセントの設置ができたり、古民家の場合、古い屋内配線を刷新するなんていうのも可能です。

自分で工事を目指すか、業者に任せるか、先にそこだけ決めてしまいましょう。

ガス関連の設備施工

これも資格が要ると思いますが、複雑で僕にはよく分かりません。

液化石油ガス設備士という資格があり、主にLPガスを使った設備の施工、点検などに必要なのは確かです。都市ガスにもそれ相応の資格があるはずです。

ガス設備は施工不良が大きな事故につながる危険が高いため仮にDIYで施工などしても、ガス会社に供給を断られる可能性が高いと推測します。素人は自分でやろうとせず、プロに任せるのが良いと思います。

資格が無くても施工できる石油給湯器(灯油ボイラー)を使うのもありです。


石油機器技術管理士の資格を持っていることが推奨されているようですが必須ではありません。とはいえ灯油を燃焼する機器ですから消防法の決まりなどに配慮して施工しましょう。

指定業者の施工を条件にしているもの

上水道の場合、公共の配水管から蛇口までの設備を「給水装置」といいます。

水道法にはこの「給水装置」が指定給水装置工事事業者以外の施工による場合は、給水契約の申込みを拒み、又は給水を停止することができるという規定があります。

指定給水装置工事事業者のみが行える水道工事を非指定業者に依頼すると違法行為となり、
過料が科されたり給水が止められたりする可能性があります。

例外として軽微な変更は認められています。軽微の度合いは多少あいまいですが、おおむね配管を伴わないものに限るようです。単水栓の取り替えなどはDIYでできるということですね。

水道メーターから住宅内の水回り設備までの工事が屋内配管工事です。例え自宅であっても配管工事などは水道法の規定により個人ではできません。

中には自宅の給水配管全てをDIYでやる方もいるようです。戸建て住宅で、すでに上水道の契約済みである場合、後から個人で配管等の施工をしても水道局に知られるはずもなく事実上問題にならないと思われます。

推奨しているわけではありません。

集合住宅におけるDIY施工はリスクが大きいのでやめましょう。

また、井戸や湧き水を利用している場合にはこれらの規定はそもそも関係ないのでDIY施工しても問題ありません。自己責任でどんどんやりましょう。

ここスロライ工房も井戸を利用し、上水道の契約は結んでいないので屋内配管工事を全て自分でやり直したいと思っています。

危険であり、経験と装備の必要なもの

代表的なのは屋根工事です。

高所での作業が必要となり、足場や安全装置、経験、体力、いろいろ必要ですし、転落して重大事故につながる危険が高いです。

絶対に避けるべきは2階建て以上の建物、隣家と近かすぎるもの、勾配のキツイ屋根などです。

どうしても自分でやりたい場合は平屋で勾配の緩い屋根にしましょう。ヘルメットはもちろん足場を組んで安全帯を使う事をおすすめします。足場はレンタルするか単管パイプを組んで使うのがいいと思います。

自分ですることのメリット

楽しいとか自己満足以外で考えてみました。

工事費のコストダウン

一般にリフォーム費用の1/3が建材や設備機器などの材料費で、残りの半分は人件費、さらに半分の1/3が施工会社の取り分と言われています。

       リフォーム費用の内訳・ヒデ調べ

材料費と工具代でDIYできたとします。離職して専念する場合、工事をするのは自分ですから自分の人件費も考えます。そうすると工務店などの売り上げ分は節約できそうです。

見えない所得という考え方もあります。

仮に工務店で1000万円かかるリフォームがあるとします。それを1/3の330万円でDIYした場合、残りの670万円稼いだのと等しいという考えです。僕もそう考えます。その670万円は僕の人件費であり利益です。

いずれにせよ大きく節約できるのは間違いなさそうです。

工具代もバカになりませんが、リフォーム終了後の維持管理に役にたちます。

維持管理費の削減

リフォーム終了後の維持管理費にも大きなコストダウンが期待できます。

通常であれば10年前後、長くて15年ごとに外壁の塗装が必要になります。

これは既成の住宅で圧倒的普及率の窯業系サイディングの防水性を確保するためのものであり、つなぎ目に採用されているシーリング材の保護のためです。

サイディングの防水性は塗料の被膜に依存しており、これは紫外線劣化します。シーリング材はさらに紫外線に弱く7年前後しか持ちません。

これらの塗装をDIYでやれば、もしくは必要のない壁材を使えば節約できるのです。

そもそも窯業系サイディングの普及はデザインの自由度が高いとか工事が早くできるからとか言われていますが、外壁塗装のリフォーム需要を狙っている為とも言われています。

アメリカやカナダの住宅で普及しているのは樹脂サイディングです。塩化ビニル樹脂のサイディングは耐用年数が50年と言われています。

なぜ日本の住宅メーカーは樹脂サイディングを採用しないのでしょうか。意匠性が、というならば色々作ればいいと思うのは僕だけでしょうか。

ガルバリウム鋼板の屋根も塗装が必要ですが、この塗装はグレード次第で15年から30年以上の対候性があります。自分でできなければ屋根だけは業者に任せるとか、塗装の不要な瓦屋根にする方法があります。

設備も10年を超えると傷みが目立ち始めます。石油給湯器なども耐用年数は10年前後ですからネットで安く買ってDIYで交換すれば最安最短でリフォーム終了です。

その他DIYで施工したのであれば道具も知識も経験もあるわけですから材料さえ用意すればいいのです。

作りながら考える

DIYの場合、方針転換しやすいメリットがあります。

通常のリフォームの場合、工務店などと打ち合わせして細部まで決めてから工事にかかります。大雑把に決めて細部は工事しながら考えて色々変更してなどということはできません。この軌道修正力はDIYならではのものです。

「キッチンにお金使いすぎたから洗面所はグレードを下げよう!」とか、「面白そうな吊り扉を見つけたから取り付けてバリアフリーにしてみよう」とか、「やっぱりここは窓いらないからサッシ買うの止めて壁にしてしまおう」とか自由です。

工務店やリフォーム会社に依頼している場合そうはいきません。

自分でする場合のデメリット

デメリットはたくさん考えられます。

施工不良があるかもしれない

素人のDIYですから完璧にこなすことは困難でしょう。プロのようなきれいな仕上がりは期待できないかも(自分次第ですが)。

命にかかわるような施工不良、住宅を著しく傷める施工不良でなければ良しとしましょう。

命にかかわるような施工不良とはどんなものでしょう。

地震で家が倒壊するとか、漏電で火災が起きるとか考えられます。そのため、基礎や躯体を知識なしに変更したりしないようにします。補強のためのDIYは必要に応じてやりましょう。

また、漏電で火災が起きるリスクに対してはしっかりと勉強して電気工事士の資格を取ったうえで工事するか、プロに任せることで解決します。

それ以外の施工不良はやり直せばいいのです。何回でも納得いくまでやり直しましょう。

時間が掛かる

DIYのリフォームでは迷いながらの作業や調べながらの施工が多くあります。さらに週末だけの作業となればなおさらです。

しかし多くの方は楽しみながら節約と実益を兼ねてDIYするわけですから工期の長さはあまり気にならないと思います。

中にはリストラや退職の機会に一気にリフォームを進めて数か月で終わらせる方もいます。

ピンチをチャンスに変えるポジティブシンキングですね。しっかりとした計画と準備をすることで可能になると思います。

保証がない

工務店やリフォーム会社のような保証はもちろんありません。不備があったときは自分で直すわけですから保証なんて不要です。

ですが例えばユニットバスの場合、大手メーカーでは講習を受けて代理店となった工務店など以外の施工には保証が付かないと聞きます。

展示品下がりのユニットバスなどは恐ろしく安く買えるわけですが、この場合無理してDIYで施工するか業者にまかせて保証を得るか迷うところです。

キッチンはユニットバスに比べて難易度が下がるのが一般的です。安く仕入れてDIYで施工するのは王道ですし、キッチンそのものを製作してしまう方も多いです。

怪我

屋根などの高所の工事は自信のある方以外止めましょう。潔くプロに任せることで安心と安全を手に入れられます。

工具による怪我が心配です。慣れてきた頃が危険なのです。

広く流通している工具のなかで特に危険なものといえば「丸ノコ」と「自由研削砥石」があげられます。

この2つは死亡例や重症例がたくさんある危険な工具と断言できます。仕事で使う場合は特別安全衛生教育が義務化されているほどですが、一般にはその危険性は認知されていないように思います。

「丸ノコ」はテーブルソーを含む、木材などの直線切りに特化した工具です。キックバックをおこす可能性が高くノコ刃の後方に体を置くと危険です。特に太ももの内側を切った場合は致命的なので注意しましょう。

「自由研削砥石」はグラインダーや高速切断機のことです。これらは刃ではなく、砥粒を結合剤で固めたもので材料を削り切る工具です。

無理な使い方をしたり試運転を怠るとディスクの破片が飛び人に当たる危険があります。絶対に保護メガネをして下さい。

講習まで受けなくても何が危険で、間違った使い方とはどんなものなのかを調べて知っておくだけで十分だと僕は考えています。

是非一度調べてみて下さい。それだけで怪我は大きく減らせると思います。

まとめ

近頃、DIYによる住宅のリフォームが増えているといいます。

コロナによるリモートワークの普及や、空き家問題、youtubeの配信など自分でリフォームに取り組みたくなる要素はたくさんあります。

僕のように一軒家は欲しいけど住宅ローンは組みたくない(組めない)からという理由の人もいるかもしれません。

プロの使う高性能な工具が誰にでも手に入り、たくさんの情報にアクセスできる環境が下支えしていると考えられます。

僕はこの記事を書いている現在、第二種電気工事士の資格取得のための勉強をしています。

自分のやれること、やりたいことをハッキリさせ、1つ1つクリアしていこうと思ってます。

みなさんの健闘を祈ります。

ではまた。

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